北陸三大祭「三国祭2018」
地元レポートin三国
日本海側有数の港町・三国町。毎年5月19日~21日は、富山県高岡の御車山祭・石川県七尾の青柏祭とともに北陸三大祭に数えられる「三国祭(みくにまつり)」があります。
福井県北部、日本海沿岸に位置する坂井市三国町は、江戸時代から明治初期にかけて北海道と大坂の物流を支えた北前船が寄港し、栄えた港町(*)。三国祭は、そんな港町の繁栄を願って、300年以上も受け継がれてきたお祭りです。
(*) 2018年5月24日、北前船の寄港地として栄えた坂井市と小浜市の関連施設などが、文化庁の日本遺産に追加認定されました。
見ものはやっぱり、地元の人たちがこの日のため毎年アイディアを凝らして作る山車(やま)。本祭りと呼ばれる中日の20日に計6基の山車がお目見えし、継体天皇をまつる三国神社の周辺一帯を、丸一日かけて練り歩きます。
県内一大きい山車といえば、おとなりのあわら市で行われる金津まつりとされていますが、山車が電線をくぐり抜け、せまい路地を軒先ギリギリに巡行していく迫力には、十分見応えがあります!(ちょっと張り合っている気分なのは、血の気の多い港町育ちのせい?)
なによりこの日は、祭りを支える人たちがスーパースターになれる最高のハレの日。子どもたちはお囃子方として、口承で伝えられる笛や太鼓で華を、地元の若者たちは威勢の良いかけ声と力強い足どりで粋を、祭りに添えます。
この日のために学校は早引き、仕事も休み。何も関係ない私にも、職場や知人から福井名物・さかまんじゅうが差し入れられるなど、町全体がお祭りムードに。
その本祭りが日曜日と重なった今年は、例年以上の人出でした。
山車をひいているときはランナーズハイならぬ「山車ハイ」といいますか、皆さんここぞとばかりにお神酒で水分補給をしているため、体力だめしをしてみたくなっちゃうんですよね。これだけ人出もあると、見てもらってるし頑張っちゃうか、ということで、あちこちで山車回しのあとが見られます。
ちなみに、祭りの担い手を育てる活動を展開する三国祭保存振興会の山車は、地区外の人でも山車をひく体験ができます。露店めぐりや山車見物もいいですが、山車をひきながら、ふつうの観光なら行かないような路地を歩き、祭りを内側から見てみるのも、なかなか楽しいですよ。
さらにこちらは、地元の若者が制作した、顔山車(だし)パネル。
坂井市三国町は、実は同市内で最も人口減少が激しい地域。とりわけ三国祭が行われている三国湊町一帯は、人が減り、空き家が増えるなど、人口減少にともなう課題を抱える地区の1つです。
20年前は小学生だった若者たち。自分たちのまちを盛り上げるべく、昔の遊びの延長でネットラジオを制作し、地元ならではの目線で情報を発信しています。今年の三国祭に向けてなんかしよっさ!(福井弁で「なんかしようよ」の意味)ということで…。
なんで顔出しパネルだったのか?の続きはラジオで。
地元の祭りをもっと楽しくしたい。その一心で、受け継がれてきた伝統にみんなが熱を加え続けている。来年は誰に会えるかな。
名称 | 三国祭 |
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住所 | 三國神社 |