『山形をいく』
Yamagata Local Book 01
これ、山形ローカルガイドブックとしておすすめです。
理由は、そのお店や場所を紹介してくれている著者のひとりひとりが、自分の「好きな山形」をただ真面目に、ただ丁寧に、ただまっすぐに「伝えよう」としてくれているから。
この本のなかにはそのお店が「人気」だからとか「商売繁盛」しているからとかそういう広告的観点はほぼ皆無。
その存在すら見逃してしまいそうなくらいちっちゃいお店なんだけど美味しいパン屋さんとか、昔からあたりまえのように受け継がれてきたけど一風変わった不思議な祭りとか、素晴らしく可愛らしいのに全然知られてない工芸品とか、まちなかで長く愛されてきた知る人ぞ知る喫茶店とか、そんな、2歩くらい奥にあるディープな山形ばっかりある感じ。
山形にゆかりのある十数人の方々が著者として、そうした深めの山形の各所を、それぞれに大きな愛をもって紹介してくれているということが、この本の魅力に繋がっているようです。
また、たくさんのページを飾っている平澤まりこさんのイラストが、山形のイメージをもしかしたら本物以上に良いものに仕立て上げてくれているような気もします。
旅行者のための素敵なガイドブックであるだけでなく、『REDISCOVER YAMAGATA』という副題の通り、山形に生きるぼくらに地元の魅力をあらためて教えてくれている一冊、です。
『山形をいく REDSICOVER YAMAGATA』
著者:みちのおくつくるラボ BOOK LABO. 1期生+平澤まりこ
編集:上條桂子
装丁:akaoni
発行:東北芸術工科大学 美術館大学センター(みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ事務局)
※山形市内では、郁文堂、十三時などでお買い求めいただけます。
また、他のネット店舗などでも購入可能です。