菊の花びら食う季節
山形の秋の味覚「もってのほか」のこと
2016.10.24
黄色や紫色した菊の花が、庭に畑に咲き誇る、山形の10月。
この町では、その綺麗な花びらは、秋の味覚の食材です。
山形は「花そのものを食べる食用菊」の生産量全国一の産地で、地元の人たちにとってもとてもなじみの深い農作物。山形の秋と言えば、芋煮会であり、そしてまた「菊」なのです。
黄色も紫色もどちらもとてもポピュラーなものですが、とくに晩生の「もってのほか」と呼ばれる品種は「もってのほかに(意外なほどに、驚くほどに)うまい」というのが名の由来とされるほどで、ふつうの家庭の食卓にごくふつうに登場する、秋の季節のごちそうです。
咲いた花を、花ごとむしり取るようにひとつひとつ摘んでいき、腰に下げたビクに入れていく。
収穫した菊の花びらを、ガクからむしり取っていき、綺麗に洗う。
洗った花びらを、沸騰したお湯でサッと茹でる。あっというまに、お浸しになります。
大事なのは茹でるとき、お湯にお酢を足すことと、茹で過ぎないこと。菊の花の色がますます鮮やかになり、その色の美しさとシャキシャキ食感を楽しめます。お浸しのほかには、酢の物、なめこと菊の和え物、などが一般的。ほんのりとした苦みと甘み、そして菊特有の甘い香りが楽しめます。ああ、秋だなあ、って感じです。
山形ではこの季節、スーパー、産直所、八百屋さんなどどこにでも並びます。
ぜひ、秋の山形に来たら、お土産としても買ってみてください。
山形の10月の味がします、きっと。