しっかり備えればこわくない! はじめての「雪支度」
タイヤ交換、雪かき、灯油…雪国って忙しい?
※山形へ移住したライター中島による、山形で体験するはじめての出来事を記録するコラムです。アーカイブはこちらから。
週末の朝、カーテンを開けるとそこは雪景色。
「わぁ!真っ白!」と心躍ったのもつかの間。見上げた空は果てしなくグレーで、気分はどんより憂鬱に。「あぁ、ついにこの季節がきてしまった…」雪暮らしの幕開けです。
東京で雪が降るのは年に数回あるかないか。雪はある種イベントのようなものです。だけど山形では雪が日常なんですよね。寒そうだし危なそうだし、とにかく大変そう。山形の心配事トップ3に入っていたほど、引っ越し前は心のどこかに漠然と大きな雪男が立ちはだかっていました。
とはいえ、新庄市や米沢市の豪雪地帯と比べて山形市の積雪は少ないとのこと。気象庁のデータによると、昨年は暖冬で積雪は最深38cm。一番降ったときでも膝下の高さ。思ったよりは雪深くない? でも、今年は去年より降るとのウワサだし、雪と寒さにはしっかり備えないと。
ということで、11月末頃から本格的に始めた冬支度。そこには東京では出会わなかった、初体験がたくさん待っていました。
まずは、ガソリンスタンドへ行ってスタッドレスタイヤに交換。費用はひとつ500円、4つで2000円ほど。雪予報の直前には、近所のガソリンスタンドに行列ができていました。
山形で部屋を探したとき、内見するどのアパートにも倉庫がついていました。これは今まで見たことがなかった光景。山形は土地が広いから外にも収納をつけてくれるんだ〜とのんきに思っていたら、これはシーズンオフのタイヤをストックするための倉庫でした。他にもキャンプ用品とかスノーボードの板とか、大きなものが収納できるので地味に便利。
余談ですが、山形市の多くの賃貸マンションやアパート(七日町など中心街を除く)では、1〜2台分の駐車場込みで部屋が借りられます。別途駐車場を探す必要がないので楽チンでした。
アパートの入り口には、雪かき道具が装備されていました。雪が積もる日は、渋滞と雪かきに備えて、朝1時間以上は早起きをしなければなりません。車内にもスコップや雪を払う道具を入れておくのが常識だそうです。
灯油もまた、山形ではじめて使ったもののひとつ。東京ではエアコンだけで間に合いますが、山形では石油ファンヒーター(ストーブ)が手放せません。パワフルで早く部屋があたたまるので、12月に入ってからは毎日活躍しています。
灯油はガソリンスタンドやホームセンターにポリタンクを持って買いにいきます。車がない人やお年寄りのために、宅配サービスもあるようです。事前にガス屋と契約して家の前にタンクを置いておけば、週に一度ほど巡回するタンク車が給油してくれる、便利なシステムです。
はじめて石油ファンヒーターのタンクに灯油を入れたときは、手動の“シュポシュポ”がうまく使えず玄関に灯油を撒き散らす大惨事となりましたが、電池の自動式ポンプにかえてからは、簡単に給油できてすっかり快適です。
そして、残るは雪道での運転。これには少し対策に時間がかかりそうなので、気長に訓練していかなければ。はじめての雪国チャレンジは続く……。
山形の冬で、雪は切っても切れない縁。大変なこともあるけど、この雪や寒さのおかげで野菜や果物がおいしく育つのですよね。
そして雪が降ると空気は澄み、まちはシンと静まって、なんとも神聖な空間に。雪化粧の山々を見ると、純粋に「かっこいいな…」と思います。数年前に関西から山形市へ移住した知り合いの方は、「毎年、雪の季節が楽しみなんです」と話していました。
山形の冬の醍醐味は、また別の機会にお伝えしたいと思います。
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