築124年の金澤町家に泊まる。
町家ゲストハウス「初華」
“忍者寺”として観光客にも人気の「妙立寺」から徒歩5分。かつては参詣道として賑わった旧鶴来街道添いに、町家ゲストハウス「初華」の暖簾が上がります。
「初華」は一日一組限定の一棟貸切宿。
建物は築124年の町家で、かつては住居として、その後は紙屋や文房具店などとして使い継がれてきたそう。
「文具店としてご近所の方に親しまれてきたこの場所を、もう一度地域に開けたら」と、1階の土間はコミュニティサロンとして、不定期にイベントも開催されています。
建物の随所には背比べの跡や、昔貼られたシールなどがあえてそのまま残されていて、初めてでもどこか懐かしさが。
各部屋には、金沢の町家で多くみられる「弁柄」や「群青」の色壁が。床の間などの造りもあり、金沢の昔ながらの町家暮らしが体験できます。
私がおじゃまさせていただた日は、「泊まれるギャラリー」として、町家全体を使って、絹彩画家・前野節さんの展示会が行われていました。住空間の中に配された作品はとても身近に感じ、ギャラリーで観賞するのとはまた違った作品の愉しみ方ができます。
今後もこのようなアートと宿を掛け合わせた企画を展開予定だそう。
基本的に素泊まりのみですが、歩いて数分の距離に「太一坊」さんという和食料理店があるので、ご希望の方はその旨お伝えいただければ、コースを予約してもらえます。北陸の旬をあじわえる、気の利いた品々ばかりなので、旅行者の方にもおすすめですよ。
宿の近くにはお寺も多く、大正時代から続くお酢屋さんや、地元の人が行きつける老舗スーパーがあったりと、観光地とはまた違った「金沢の日常」をお楽しみいただける野町エリア。
女将の町家さんにも色々と教えていただけるので、3度目以降の、ちょっとディープな金沢旅行にもおすすめです。