【長野】リビルディングセンタージャパン 東野唯史さん 昔は直して使っていたであろうモノたちと共に。
D&DEPARTMENT PROJECTが東京・渋谷のd47 MUSEUMで開催中の「NIPPONの47人 2017」展をreal localが独自の取材で深堀りします! 地域のライターが、地元の出展者を取材するスタイル。こちらは諏訪市で活動する 「リビルディングセンタージャパン」東野唯史(あずのただふみ)さんへのインタビューです。
*d47 MUSEUM「NIPPONの47人 2017 これからの暮らしかた – Off-Grid Life –」のサイトはこちら
長野県・諏訪市でリビルディングセンタージャパン(以下、リビセン)に伺って来ました。リビセンを始めたのは、空間デザインユニット「medicala」として活動していた東野唯史さん、華南子(カナコ)さん夫妻。
東野さん、これまでに全国各地でゲストハウスやレストラン等の内装デザインを手がけて来ました。しかし、現場で見てきたのは、どんどん壊されていく古い家屋。捨てられていく古材をなんとかできないかと考えていました。
そんなとき、旅先のアメリカ・オレゴン州ポートランドで、ReBuilding Centerに出会いました。
「当たり前のように、古材が暮らしの中にあり、使われている文化に強い感銘を受けました」
帰国後しばらく経ってから、日本でもリビルディングセンターをやりたいと思い、ホームページのお問い合わせフォームから連絡。
そして、本家から名前やロゴの使用許可をもらい、長野県・諏訪市にてリビルディングセンタージャパンを始めることにしたのです。
−−なぜ諏訪にしたのですか?
「まず日本の『へそ』にあたる位置だったことが、大きな理由として挙げられます。
古材のセンターをするなら東京や大阪、名古屋など主要な都市からのアクセスが良い方が望ましい。加えて、諏訪は解体される建物が多く、古材という『資源』がたくさん生み出されている場所なんです。
しかも都市部と比べて地価が安い。アクセスが良いので東京在住で車を持ってないひとでも来ることができます。このバランス感は、日本全国の中でもかなり貴重だと思いますね」
−−修理してものを使う文化は日本でも根づくでしょうか?
「戦前はモノが貴重だったからか、工夫して修理し、大切に使っていた痕跡と出会うことが多いです。でも戦後、日本は裕福になって新しいものを買った方が安くなってしまった。みんなの所得が増えたから、効率化して安価な大量生産品が増えたから、直すよりも買った方が安いという考え方にシフトしてしまいました。
現代の方が頭を使って生活していないとつくづく思います。
実際、現場でよくあるのが、『捨てるよりは』とレスキュー依頼が来てその家に行くと、昔は直して頑張って使っていたであろうモノがたくさん出てきます」
−−リビルディングセンターは東京で、とは思わなかったのですか?
「若くて健康であれば東京では仕事の機会自体は多くて、食べていくには困らないかもしれない。
ですが、それはすごく東京に依存しているんじゃないかと思います。依存して暮らすということは不自由だし、人間的に弱いことのような気がして、それが嫌だなと。
東京に対しては、『依存する』のでなく、『利用する』くらいがちょうどよいと思います。」
−−これからどんなことをしてみたいですか?
1つ目は、諏訪のリビセンを中心的な拠点にして、リビセンやリビセンみたいなお店が全国に増えるといいなと思っています。
2つ目は、家を買ってエコハウスに改装して自分で住みたいです。親の世代が建てた住宅をほぼDIYで改装して、「空き家を活用することで、新築よりも安く、かっこよく、快適なリノベーションができるんだよ」と形にして見せることができればと。
今は解体される建物から資材をレスキューしているわけですが、そもそも壊されないで済むならその方がいいに決まっている。「空き家の活用事例を積極的に提案することで、建物まるごとレスキュー」という実例を作ることに意味があると思っています。
屋号 | Rebuilding Center JAPAN |
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URL |
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住所 | 長野県諏訪市小和田3-8 |
備考 | 【電話】0266-78-8967 |