まち歩き物件巡回ツアーReport/馬場正尊氏と歩く七日町2017.10.29
2017年10月29日(日)、山形市七日町にて「馬場正尊氏による『まち歩き物件見学ツアー』+『公開シンポジウム』」が開催された。山形リノベーションまちづくり推進協議会が主催するこのイベントは、2016年9月の実施に引き続き2回目。あいにくの雨天ではあったが、約40名の参加者が七日町に眠る空き物件を巡回しながら新たな使い道の可能性を探った。
「僕の目から見ればとっても魅力的な空き物件がこのまちにはいっぱいある。今はピカピカの新しいビルよりも、年季の入った味わいのある建物を構想的にうまく使っていくことこそがカッコいい」という馬場正尊氏(東北芸術工科大学教授、OpenA代表)の宣言から幕を開けたこのツアー。
その内容に、昨年までとの大きな違いを感じた。
というのも、目的の空き物件に向かうまでの間、参加者はリノベーション事例としてBOTA coffee、郁文堂、とんがりビル、chotto futto に立ち寄ったわけだが、郁文堂や chotto futto は昨年まではそこに存在しなかったリノベーション物件であるし、また、BOTA coffee では残念ながらこの日雨天中止となってしまった「シネマ通りマルシェ」の臨時縮小版を開催しており賑わいを見せていたし、郁文堂でも読書会イベントが開催され明るい雰囲気が漂っていたから。
このあたり一帯のエリアリノベーションが着実な進行を遂げている。それぞれがコンテンツをしっかりと持ち、それぞれのちからで運営されている。点が面となり、まちがエリアとして変化しつつある現在進行形の状況と、まちがこれまでとは違う活気に満ちているというファクトを、今年の参加者は目の当たりにすることができた。
場所、構造、間取り、賃料などの説明を、ときには物件オーナーから直接に聞きながら、参加者全員で3つの空き物件を巡った。
ツアー後の公開シンポジウムでは、ミサワクラスに始まったこれまでの七日町のリノベーション・プロジェクトのひとつひとつのスキームや資金調達の方法や運営方法などについて、馬場さんだけでなくそれぞれのプロジェクトの当事者を交えながら、その説明やディスカッションが行われた。
このイベントを機に、また新たなエリアリノベーションの展開がこのまちに広がっていくことを期待したいし、そうした動きをreallocalではこれからも応援していく。