real local 南八ヶ岳「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」

ソムリエがはじめたワイン用ブドウ農場 小牧ヴィンヤード 小牧康伸さん

2016.11.05
「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
今年の収穫が終わったばかりの「小牧ヴィンヤード」。八ヶ岳南麓の日照が燦々と降り注ぐ

小淵沢の我が家のすぐ近所、同じ町内会に「ヴィンヤード」がある。はじめて知った時なぜかワクワクして誇らしい気持ちになった。きっとフランスの地方で「シャトー」のある村の住人にもそんな感覚があるのだと思う。

小牧さんご夫妻が運営するワイン用のブドウ農場「小牧ヴィンヤード」だ。海抜800mの丘に広がる約3,000坪の畑に約2,700本のブドウの木が栽培されている。南に甲斐駒ケ岳、北に八ヶ岳を臨み、見晴らしがよく、風が抜ける、陽当たりのよい場所だ。シラカバとブドウの木が共存している南八ヶ岳ならではの景観がここにある。

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
南に南アルプスの山々を望むヴィンヤード

ところで、ワインづくりのためのブドウ農場と聞くと、日本では製酒メーカーが大きな資本で行っているイメージを持っていたが、ご夫婦二人で行われていると聞いて驚いた。

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
小牧康伸さんと奥様のミチ子さんご夫妻

小牧さんご夫妻はここに暮らしながら、ヴィンヤードづくりを進めている。「2005年に5本のブドウの木を譲ってもらってから毎年、二人で数百本づつ植えてきました。来年は、600本植える予定です」小牧さんは言う。これまでは、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネフランという品種を育ててきたが、来年は、イタリア品種のバルベラを植える予定だ。

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
小牧ヴィンヤードから生まれた「Prologue」の赤と白。

ここから独自ブランドのワインが、2008年に生まれている。「Prologue」とう名称で、いまは赤が300本、白100本を限定で製造販売している。また、今年からはアグリツーリズムの一環として、ブドウの植付けや収穫体験、ワインにまつわるセミナーなども定期的に開催している。自邸の一階には、ワインと料理が楽しめる空間「Wine Cafe Merle(メルル)」も開設した。宿泊も可能だ。

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
入り口に配置された看板。

小牧さんは、帝国ホテルのシニアソムリエとして、ソムリエという名称に馴染みのない時代からワインを消費者に提供してきた人だ。最後の数年間大阪の帝国ホテルで、チーフソムリエ兼飲食部門管理担当者として働いた後に、2003年に地元山梨県にUターンした。

その後、山梨県のワイナリー巡りや「作り手と語る会」に参加し感じたのは、「ワインの飲み方がヨーロッパと違うのです。美味しいという感じ方は人によって様々で、好きか嫌いかをはっきりと言うことで、自分の嗜好にあったマイワインが見つかるのではないか」と小牧さんは考えている。

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
生産者とソムリエ両方の表情を持つ小牧さん

ワインの世界も日本酒の世界も人気のある原料の品種や醸造方法がどこの酒蔵でも採用され、その土地ならではの独自性が失われていく。つまり土地土地の気候風土に根ざした味の多様性がなくなっていくということだ。

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
植栽した畑には樹種と年月を記載したボードが立つ

ワインは地酒であるという基本にしっかりと向き合うこと。ブドウを育てる畑の味、ブドウの美味しさがワインそのものであるということ、そして地産地消を大原則として、余計なものを足さず、できるだけ自然な農法にこだわること。世界各地で育った多様な畑から生まれる多様なワインの味を知るソムリエだから気が付けることなのかもしれない。

自分の嗜好にあった「マイワイン」を多様な産地から探すことを楽しんでもらいたいと小牧さんは考えている。

「ワインはもっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」

「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」
メルルのコンサバトリー 越しのヴィンヤード。シラカバの群生とぶどう農場のコントラストは美しい

将来について質問した。「自分の背丈に見合った範囲でどこまでできるかというチャレンジを続けたい」これからの目標は、現状は委託している「醸造も自分たちでやる」ということだと言う。奥様のミチ子さんと二人三脚で続けてきた八ヶ岳南麓のワインづくり、小淵沢の「シャトー」の誕生を楽しみにしたい。

屋号

小牧ヴィンヤード

URL

URL: http://komaki-vineyard.com/index.html

Facebook: https://www.facebook.com/Komaki-Vineyard-999083540133976/

住所

山梨県北杜市小淵沢町8033-1

MAIL Komaki_vineyard@yahoo.co.jp
TEL/FAX 0551-36-5188
「ワインは、もっとも自然なアルコール飲料で、日常的であり、芸術的であり、もっとも生育環境(テロワール)が影響する飲み物です」