【長野】ローカルとグローバルを見つめるゲストハウス DOT HOSTEL NAGANO
2016年4月、長野市善光寺から徒歩1分の場所に出来たゲストハウス「DOT HOSTEL NAGANO(通称:ドット・ホステル)」。
オーナーの原 義直さんは、東京都出身。オーストラリアで2年間、フットサル選手として活躍したほか、都内の海運会社や商社にトータル約6年間勤め、海外出張で世界各地を飛び回っていたという異色の経歴の持ち主です。
商社マン時代は海外のホテルに泊まる機会が多く物足りなさを感じていましたが、日本で流行していると聞いた「ゲストハウス」に泊まってみると、ホテルと全く異なる面白さにハマったと言います。そして、「今度は自分が海外の人を迎え入れる立場としてゲストハウスをオープンしたい」と考え、開業地を求めて全国のゲストハウスを泊まり歩きました。
こうしてたどり着いたのが、善光寺門前です。ここに漂う雰囲気や住んでいる人々、店など、自分が気に入ったこれらを多くの人に紹介できたら。そう考えていたなかで築100年を超えた元旅籠の建物に出合い、「正面から見た日本らしさを感じさせる面構え」にピンときて、ここでの開業を決意しました。
その後、約1年間かけて、友人や地域の人の協力も得て、セルフリノベーションで建物を改修。2016年4月にオープンに至りました。
そんな「ドット・ホステル」の特徴のひとつが、全体の8~9割を占めるという外国人宿泊者の多さです。その背景には、インターネットやSNSを活用し、積極的に英語で情報発信をしている原さんの努力があります。
また、コンセプトである「日本らしさ」を表現するもののひとつとして、ラウンジの一角で「日本酒バー」を営業しているのも「ドット・ホステル」の特徴です。1杯350円と手頃な価格なので、宿泊者以外も、ほかの旅館に泊まっている旅行者やご近所さんが気軽に訪れています。
くわえて、原さんは、地域やほかの店とのつながりも大事にし、時間があれば近隣の店に顔を出したり、町の青年部にも所属するなど、周囲と良好な関係を築くように心がけています。そうした情報を積極的に発信することで「ガイドブックに載っているのではなく、地元の人が訪れるような場所を好む旅人に来てほしい」というのが原さんの思いです。
そして、ここに泊まったことで長野を好きになってくれる人がいること、リピーターとなってまた「ドット・ホステル」に戻ってきてくれる人がいることが原さんのやりがいになっています。
また、古民家を活用していることも、原さんにとっては意義深いことだと言います。
「この建物は旅籠のあと、信州大学の学生寮になっており、その後はおばあちゃんが一人で住んでいたそうです。古民家にはこういうストーリーがあるところが魅力です」
なお、長野市内のゲストハウス同士は、宿泊者がいっぱいになってしまった場合はお客さんを紹介しあうなど、積極的に情報交換を行っているのだとか。長野県全体でも、ゲストハウスオーナー同士が集まって年に1回飲み会を行い、連携を図っているそうです。
こうした横のつながりや仲のよさは、それぞれのゲストハウスが自分たちならではの特色を確立しているからこそ。また、それによって宿泊者の住み分けもできており、バラエティーに富んだゲストハウスの多様性が長野県の観光全体の魅力にもなっていると感じます。
ただ泊まるだけではない、地域の魅力とオーナーのスピリットも感じることができるゲストハウス。それを目的地とした旅は、観光地を訪ね歩くものとはまたちがった面白さに溢れています。
名称 | DOT HOSTEL NAGANO(ドット・ホステル・ナガノ) |
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業種 | ゲストハウス、シェアハウス |
URL | |
住所 | 長野県長野市東之門町379 |
TEL | 026-219-6769 |
営業時間 | チェックイン16:00~22:00、チェックアウト8:00~11:00、フロント7:30~11:00/16:00~22:00 |
料金 | 1ベッド2,700円(税込)~ |