【長野】アウトドアと自然が身近にある暮らしを NATURAL ANCHORS
2015年4月に善光寺門前にオープンした「NATURAL ANCHORS(ナチュラル アンカーズ)」。
路地裏にあり、自分だけの隠れ家を見つけたようなワクワクした気持ちを与えてくれるアウトドアセレクトショップです。
営むのは、ロッククライマーとして海外で過ごした経験ももつ長野市出身の戸谷 悠さんと、結婚を機に出身地の東京から長野に移り住んだ妻の晶子さん。
「年2回、海外に買い付けに行き、珍しいもの、自分が気に入って理解したものを仕入れるようにしています」と悠さんが話すように、店内には日本では手に入らない限定商品や日本未発売のものなども含む、こだわりの登山ギアやキャンプ用品、アウトドアウェアなど幅広い商品が並びます。
悠さんとクライミングとの出合いは学生時代。大学進学を機に上京し、近所にクライミングジムがあったことから通ってみると、思い通りに登れない難しさやパズルゲームのようにルートを組み立てていく面白さに魅了され、すぐにのめり込んでいきました。
卒業後はカナダやニュージーランドでロッククライミングに専念。帰国後も東京と海外を行き来しながらクライミングを続けていましたが、29歳だった2007年、家庭の事情で長野市の実家に戻ります。
すると、山登りやスキー、スノーボードを楽しめる環境が整っている長野のフィールドとしての魅力に改めて気づくと同時に、北信(長野県北部)には山岳用品店を扱う個人店が少なくなっていることも残念に思うようになりました。
そこで、2011年に結婚した晶子さんと「ゆくゆくは山道具を扱うお店をやりたい」と考えるように。そして、門前で開催されている空き家見学会に参加し、そこでの縁でつながった空き家専門の不動産業を営む株式会社MY ROOMの倉石智典さんに相談。紹介してもらったのが今の物件です。
「まちと自然、どちらのフィールドにも近く、あえてすぐには見つけづらい静かな場所でゆっくりとお客様と向き合えるお店をつくりたいと思っていたので、ひと目でここに決めました」
(晶子さん)
こうして、2015年4月10日にオープン。こだわりの品揃えはじわじわと評判になり、イベント出店やSNSの積極的な活用もあって、今では県外からも来客が見られます。
加えて「クライミングジムで集まって登ってみよう」という「MEET-UP! Cilmbing!(ミートアップクライミング)」や、パラコード(パラシュートコード)を使ってアウトドアアクセサリーをつくるワークショップを月に1〜2回のペースで開催したり、2016年からは身近な自然に出かけてお客様とさまざまなアウトドアツールを使い、アウトドアシーンで心地よく過ごす方法を学ぶ「sotoclass(ソトクラス)」という企画なども進めています。
こんな風に、店を始めてからさまざまな取り組みによって門前で暮らす人たちとの交流が深まったという悠さん。さらに、周辺のアウトドアショップの店員やガイドなども足を運んでくれるため、クライミング分野以外のつながりが広がったことも楽しいと話します。
「この空間に来ていただいたお客様とゆっくり話をしながら商品をおすすめし、一緒に遊びながら営業をしていく現在のスタイルは、まさにやりたかったことでした。今はそれができていることに、とても満足しています」(悠さん)
店舗という枠にとらわれず、外遊びも交えながら、アウトドアのあるライフスタイルを提案している「NATURAL ANCHORS」。ここから、長野市ならではのアウトドア文化が生まれています。