はじめての「冷やしラーメン」

栄屋本店

「冷やしラーメン」ってご存知ですか?

冷やしラーメンとは、文字の通り“冷たいラーメン”で、山形では夏のスタンダードとして愛されています。

リアルローカル山形の事務所から歩いて3分のところに、冷やしラーメン発祥の店〈栄屋本店〉があります。

山形名物を求めて県外からやってくる観光客、地元のサラリーマンなど、夏になるとお昼時には行列ができる名店です。

山形市本町・栄屋本店
山形市本町・栄屋本店

そんな冷やしラーメン。わたしは山形に越して来るまでその存在を知りませんでした。初めて聞いたとき「?」となったことを覚えています。

ラーメンってどうやって冷やすんだろう。冷やし中華とは別物みたいだし。謎である。

百聞は一見にしかずということで、どんなものかわからぬまま、〈栄屋本店〉へ向いました。

見た目は普通の醤油ラーメン。キュウリは“冷やし”らしい具
冷しらーめん(税込810円)。見た目は普通の醤油ラーメン。唯一キュウリが“冷やし”らしい具。栄屋本店では「冷しらーめん」として商標登録をしている

さぁ出てきました、冷しらーめん!

チャーシュー、海苔、かまぼこ、メンマ、ネギ、もやし。スープにはうっすら油が浮いてます。湯気が立っててもおかしくないくらい、ビジュアルは普通の醤油ラーメン。

氷が浮いてる!
氷が浮いてる!

だけど、器を触ると冷たい。よーく見ると、涼しい顔して氷が浮いています。

まずはスープを一口。「あ、おいしい」と思いました。普通の醤油ラーメンのスープとはまったく違う味。だけどなんだろう、どこか親しみのある味。

コクがある和風出汁というか…あっさりしていて、ほんの少し酸味もある気がする。

調べてみると、このスープは試行錯誤の末に生まれた、カツオ出汁と牛肉のスープを組み合わせた栄屋本店オリジナルのスープなのだそうです(※)。

つるつるした太麺。チャーシューも噛み応えがあっておいしい
つるつるした太麺。チャーシューも噛み応えがあっておいしい

しこしこした太麺で、冷たいスープと一緒にするする〜っと口に滑りこんできます。スープも口当たりがよく、すっと体に染み渡る透明感ある味で、思わず蓮華がすすむ。

冷たいスープに浮かぶ具材は、まるでプールにプカプカしているようで気分がよさそう。氷も清涼感あり。

食べてて汗をかかないのも地味にうれしい。さっぱりしてるけどコクがあって、胃もたれせず。適度にクールダウン。

「気持ちがいい」

っていうのが、冷しらーめんを初めて食べた率直な感想です。

ラーメンを食べた、というより、「冷しらーめんという気持ちいい体験をした」という感じ。

実は少し邪道だって思っていたのですが(すみません)、冷しらーめんおいしかったです。県外から友達が来たら、ぜひともオススメしたいと思います。

山形名産ラ・フランスの果汁も入っているようです
山形名産ラ・フランスの果汁も入っているようです

ところで、なぜ冷しラーメンが生まれたのか? という疑問。

それは、山形の夏が暑いからです!

雪国だから山形の夏は少し涼しいんじゃないかと思っていたのですが(考えが甘かった)、盆地の山形市は風が吹かず、蒸し暑いのです。

「蕎麦屋でラーメン!」シリーズでおなじみですが、山形ではラーメンを提供する蕎麦屋が多く、実は〈栄屋本店〉もれっきとした老舗の蕎麦屋。

お客さんから「夏にあついラーメンを食べるのはしんどい。冷たいそばはあるのに、なぜラーメンにはそれがないのか?」と聞かれたのが誕生のきっかけだそうです(※)。

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暑い山形には独特の「冷やし文化」があり、冷やしラーメンのほか、「冷やし鳥中華」、冷やしたメントール系シャンプーで洗髪する「冷やしシャンプー」なるものもあるそうです。(これもまた気になる)。

夏に山形市を訪れたら、ぜひ冷やし文化をご堪能ください。

以上、今日も暑い山形市からお送りしました。

(※)参照:『北の旅学 やまがた』(2004年)小学館

名称

栄屋本店

URL

http://www.sakaeya-honten.com/

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