神戸・灘の地元コミュニティーと暮らす宿
ゲストハウス萬家(MAYA)
三宮・元町界隈とは明らかに違う空気感で、今まさに形成されつつある阪急灘高架下エリア。
今回は、最近この界隈にオープンしたゲストハウス萬家(MAYA)を紹介します。
灘高架下の広場的三角地帯
灘高架下エリアの東端・阪急電鉄王子公園駅から三宮方向へ徒歩約4分。
ゲストハウス萬家は、以前real localでも紹介した家具工房・Magical Furnitureと、TEAMクラプトンのベースキャンプとの間にある。
ちょうど三角形を作るような配置になっていて、萬家ができたことで中心に広場の様な空間が生まれたのが面白い。ゆったりとした空気が流れる路地裏感に、Magical FurnitureとTEAMクラプトンが醸し出すクラフト感があいまって、このトライアングルゾーンの雰囲気は実に高架下的。
萬家に泊まれば、間違いなく灘高架下の空気感を満喫することができるだろう。
多文化を尊重しあえる社会を作りたい
萬家を切り盛りするのは、オーナーの朴徹雄(パク・チョルン)さんと、マネージャーの今津歩(通称ボブ)さん。
ふたりが出会ったのは2年前、東京にあるゲストハウス品川宿でのこと。当時、脱サラをして住み込み修行をしていた朴さんが、ボブさんのチェックインを受け付けたそうだ。その後、ボブさんも朴さんと入れ替わるかたちで品川宿で修行を始めた。
朴さんは半年間の修行後、ゲストハウスを始めるべく神戸へ。神戸は奥さんの地元であり、韓国・ソウル出身の朴さんにとっては第二の故郷とも言える土地だった。
学生時代に日韓学生交流会の学生会長を約10年間務めた経験から、「多文化を尊重しあえる社会を作りたい」と考えていた朴さんは、神戸の中でも「旅行者が日本人と交流できる、日本人コミュニティーがある場所を探した」そうだ。そこで白羽の矢を立てたのが、神戸でも指折りの活気を誇る水道筋商店街界隈。
物件探しは難航し、理想の場所を見つけるのに2年かかった。しかし、その間に朴さんは「地元の人になろう」と考えて、水道筋商店街に通い喫茶店で働いたり、商店街のボランティアに参加することで、すっかり地元住民コミュニティーの一員になっていたと言う。当時は悩んだそうだが、「必要な時間だった」と朴さんは振り返った。
336人と作ったみんなの宿
朴さんがようやく見つけたこの場所は、もともと地元で愛された診療所の跡地。この地域に惚れ込んで、元の診療所と同じ様に、ローカルで愛される存在となるために、施工時にはTEAMクラプトンと一緒に近隣住民や子供たちが遊び感覚で手伝えるワークショップを毎週開催。最終的にはなんと総勢336人で萬家を作った計算になると言うから驚きだ。
2017年7月のオープン時からすでに地元コミュニティーの一員となっている萬家は、地元とのつながりを活かしたイベントも魅力的だ。そのひとつが、水道筋商店街の知り合いの店を朴さんと巡る“ゲストハウス的つまみ食いツアー*”。朴さんと一緒に地元民のように商店街を歩き、6~8ヶ所ほどお店を巡りながらローカルフードを満喫できる。
* 水道筋商店街で毎月1回開催されている“つまみ食いツアー”が原型
ローカルを楽しみたい旅行者は、ぜひゲストハウス萬家を滞在拠点に選んで欲しい。朴さんやボブさんを通して、萬家のコンセプトでもある“神戸のふつう(リアルローカル)”を体感できるはずだ。また、ゲストでなくてもローカルの店を紹介したり、地域を楽しむための情報を聞くことができるので、近くを通る時に立ち寄ってみるだけでも楽しいはずだ。
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名称 | ゲストハウス萬家 |
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業種 | ゲストハウス |
URL | http://kobemaya.com |
住所 | 兵庫県神戸市灘区城内通4丁目4-10 |
TEL | 090-9856-8280 |
営業時間 | チェックイン16:00-22:00 / チェックアウト 10:30 |
アクセス | 阪急電鉄王子公園駅から徒歩約4分、JR灘駅から徒歩約5分、阪神電鉄岩屋駅から徒歩約9分 |
料金 | シングル ¥4,900~ / ツイン・トリプル・クワッド ¥4,500~ / ダブル ¥4,300~ / 混合ドミトリー ¥3,300~ / 女性専用ドミトリー ¥3,500~(値段は全て1名1泊の代金) |
備考 | お申し込みはゲストハウス萬家に直接ご連絡ください。real localからはお申し込みいただけません。 |