ただ旅をして見てきたこと
紀行家・パレスチナ料理研究家 菅 梓さん
「ベツレヘムの分離壁」
みなさんは、この壁のことをご存知でしょうか。
地中海東岸、西アジア・中東に位置するパレスチナにある、
別名アパルトヘイトウォール。
世界的なグラフィティアーティスト「バンクシー」が、2017年3月、ベツレヘムの分離壁近くにホテルをオープン、
全室から分離壁を見渡すことができ「世界のあらゆるホテルの中でも最悪の眺めだ」と表現されたことは記憶に新しいです。
今回は、私が少し詳しくパレスチナの事を知るきっかけとなった、福岡を拠点に紀行家・パレスチナ料理研究家として活動する、菅 梓さんを紹介します。
写真家でもあるAzusaさん。中東・パレスチナの今を伝える写真マガジン’SunAraq’を発売しています。
Azusaさんは福岡市出身。
大学時代を東京で過ごした後、福岡を拠点に世界を旅しています。
学生時代から一人旅を始め、翻訳の仕事での長期滞在も含めこれまでアジアや南米、ヨーロッパ等30か国以上を巡ってきたそう。
パレスチナとの出会いは2年前。マルタに1年半滞在していた際に、友人の結婚式のためパレスチナに隣接するヨルダンを訪れたのがきっかけ。
『遠く危険な地区に思われがちなこの地を歩き、人々と交流し
生活をするように旅をした記録
ジャーナリストとは違う、ただ旅をして見てきたこと
生活は至る所にあり日常がある、何を感じるかはあなた次第
その何かを見つけて・感じて』
(Azusaさんが運営するサイトSunAraqより。)
パレスチナを旅し、現地で出会った人の家にホームステイ。
温かい人と文化に触れて、すぐにパレスチナに惚れ込んでしまったといいます。
出会った人に話を聞いたり、住み込みでお店を手伝ったり、ローカルに触れて知ったパレスチナの魅力を、伝えたい、再現したい・・。
帰国後、パレスチナに特化した料理やカルチャーの発信。ラジオの定期出演や全国各地への出張料理などの活動をしています。
2017年3月には、福岡市中央区大名にパレスチナカフェD-tranoiをオープン。福岡に滞在しているパレスチナ人やアラブの人たちが訪れたり、懐かしむ場所にもなっています。
D-tranoiで提供している「アラック」というお酒は、Azusaさんが現地で直接交渉し直輸入しています。
『家族経営の蒸留所は、道の向こうが難民キャンプ。難民キャンプの学生たちが蒸留を手伝い、作られるお酒。アラックをみんなに飲んでもらえたら、少しの売上が彼らに届きます。』
2017年7月には、「聖地パレスチナ一人散歩 Kindle版」も出版。
『前回パレスチナを訪れた際は、’ガザ地区’のビーチに繋がるビーチの、石を拾ってきたの。』と教えてくれました。
世界を見るAzusaさんに、地元福岡について聞いてみました。
『福岡の人は福岡のことが大っ好き!
みんなほんとに地元愛がすごくて、海外に行っている友人も、海外で得たことを福岡に還元しようとしてる。私もそうなのかも。』
今秋にも、更なる魅力を見つけにパレスチナへ行く予定のAzusaさん。パレスチナのリアルローカルを届ける発信は、国はもちろん考え方の垣根を越えて、色んな気づきを与えてくれます。
関連記事:美味しいパレスチナ文化に触れて パレスチナカフェ D-tranoi
菅 梓(Suga Azusa)
幼少期より読書を愛し、祖父の影響で写真を撮り始め大学で専攻する。2000年より一人で海外を放浪するようになり、中東アラブへの憧れを抱くようになる。2ヶ月のインド・マイソールでのヨガ修行生活中にヨギよりもヨルダン・イラク・パレスチナ人などの中東のイスラム系友人が多く増え、ますます中東への縁を強く感じる。2015年、初めてヨルダン・イスラエル・パレスチナというアラブの地に足を踏み入れ、TVの報道とは違う現地の状況、人々の声、多種多様な考え、美味しい食事、彼らの日常を体感する。何者でもないわたしが何事もなく旅することができる地区であり、実際に歩いて見てきたこと、パレスチナの虐げられた生活、そんな中でも日々を楽しもうとする姿など感じたことそのままを写真・文章・食事を通して情報発信中。
URL | |
---|---|
備考 | 「聖地パレスチナ一人散歩」 Kindle版 写真マガジン「SunAraq」 |