茶酒の一滴一滴に思いを込めて
茶酒房 万yorozu
今回ご紹介する「万yorozu」は、並木の緑が心地よい赤坂けやき通りから脇道に少し入った場所に静かにあかりを灯している。
お品書きに目を通していくと日本茶や季節の和菓子にお酒までが楽しめるお店である。
ただ、このお店を表現するに単純にCAFEやBARという言葉ではどうもしっくりと来ない。どうしても良い言葉がみつからず店主の徳淵さんに伺ってみると、
「茶酒房と呼ばせていただいてます」と返事が。そして徳淵さんがそっとお品書きをめくったその1ページには、こう文章が綴られていた。
「人々が集い、出逢う、茶やでありたい、
人々が語らい、愉しむ、酒場でありたい。
そんな思いを、
茶酒の一滴一滴にこめて・・・」
店内に入ると、まず目を奪われるのが大きな炉。そして細かに見渡せば匠を感じる洗練された空間であることに気づく。さらにはこだわりの茶器や白衣を身にまとい真剣な眼差しで茶を淹れる店主の姿、そのどれもに感じるのは独特の職人気質や日本人らしい美意識。
また、万yorozuではカウンター越しに徳淵さんとコミュニケーションがとれることもひとつの良さ。何気ない会話ももちろん、まずは香りから入り、そして湯の温度を変えながら出てくる一煎、二煎、三煎と茶の本来の愉しみ方を聞いてみたり・・。その絶妙な距離感や本物を追求する徳淵さんだからこその会話もきっとこの場所を訪れる人たちの愉しみのひとつである。
福岡県でお茶といえば有名なのが八女茶。万yorozuで取り扱う茶の6割〜7割が福岡県八女市で生産されたもので、それ以外は日本全国の茶が揃う。八女茶は全国的にもとても評価が高いそうで、意外に福岡でもその評価を知らない人が少なくない。だからこそ、この場所を通じて日本文化の伝統のひとつを現代に編集し発信し、老若男女問わず、茶の愉しみを知って欲しいと徳淵さんは話してくれた。
一方、夜の万yorozuもまた昼間とは違った雰囲気でお勧め。自家製香酒を始めシャンパンから日本酒まで徳淵さんが厳選したお酒が豊富に揃えられており、大人たちが語らい愉しむ酒場となる。時にはカウンター越しに座るお客さんが徳淵さんを通して繋がっていく、それはこのお店、そして徳淵さんの人柄への安心感に自然と身を委ねてしまう感覚であろう。
また、この夏、同じ建物の2階に粥をメインに食事をする「万分室bunshitsu」をオープン。茶と酒に加え粥という新たな柱を添え、徳淵さんらしい日本文化の発信はさらに進化を続けている。
昼も夜もそうだが、ひとことで言えば、人にあまり教えたくないけど連れて行きたくなる、それが万yorozu。だから日常使いもここぞというときも是非足を運んでいただきたい。そこには良き出会いも待っているかもしれない・・。
(※席数はそれほど多くないので事前に電話で確認するのがおすすめです。)
>>万yorozuでは現在スタッフを募集しています。詳しくはこちらからどうぞ。
名称 | 茶酒房 万yorozu / 万分室bunshitsu |
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URL | facebook:https://www.facebook.com/yorozu109/ |
住所 | 福岡市中央区赤坂2-3-32 |
TEL | 092-724-7880 |
アクセス | 西鉄バス「赤坂2丁目」停徒歩2分 |