はじめての「樹氷」〜蔵王はすごかった〜
ハイクオリティな温泉もご一緒に
山形に住む=30分程度で蔵王へスキーに行けてしまう生活環境!
※山形へ移住したライター中島による、山形で体験するはじめての出来事を記録するコラムです。アーカイブはこちらから。
山形の 冬といえば 樹氷かな ということで、行ってきました。
車を走らせ向かったのは蔵王。「いざ雪山へ!」と意気込んだものの、景色を見ていたらあっという間に着いてしまいました。山形市の中心街から30分たらず。拍子抜けするほどの近さです。
蔵王はいわずもがな日本屈指のスキーリゾートで、本格的な自然溢れる大連峰。しかも良質な泉質をもつ、歴史的な(伝説によると開湯1900年前という)温泉街でもあります。
そこまで30分かからない近さ。以前、市長が「山形市はディズニーランドのようだ」とお話されていたのを実感しました。
さて、さっそく樹氷を見にロープウェーで頂上を目指します。
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20分くらい経つと頂上が近づいてきます。すると、見えてきました。樹氷、またの名を「スノーモンスターズ」。ちなみに蔵王の樹氷は、針葉樹のアオモリトドマツが氷点下で雪と氷に覆われてできたものだとか。(蔵王ロープウェイHPより)
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東京に住んでいた頃、駅の観光ポスターでみていたあの景色がここに。
下車すると、等身大の樹氷が間近に見られます。スルンと洗練されたのもいれば、ザクザクしたワイルドなのもいて、見れば見るほどそれぞれ個性を持ったモンスターに化けてきます。
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その日は見事な晴天でした。青空の下に広がる白銀の世界。光が反射して、雪の表面がキラキラしてて、目が開けにくいほど眩しくて。まるで天空の世界にいるような…。とにかく異次元でした。
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樹氷を見守るように佇むのが、蔵王地蔵尊です。極寒の中、上半身まで雪に埋もれていても、この福々しい表情。1775年にまつられ、それまで絶えなかった遭難者がめっきり減ったという話から、「災難よけ地蔵」とも呼ばれているそうです。
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ロープウェーを降りたら、山のふもとにある温泉街を散策です。そもそも、蔵王はスキーリゾートよりはるか昔に温泉街として栄えてきました。さっきまでの天空の世界とはうってかわり、ここでは温泉の湯気と硫黄のにおいに包まれます。このギャップは蔵王ならでは。
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蔵王温泉は強酸性の硫黄泉で、血行促進のほか、表皮の殺菌や皮膚を強くする作用があるとのこと。昔から、山形の女性は畑仕事を終えたあと、夏は汗疹、冬は乾燥にそなえて、蔵王の温泉に浸かっていると話を聞きました。
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温泉街で、蔵王名物「稲花餅(いがもち)」を食べました。笹の葉に小さなお餅が3つ。
できたては笹の葉の香りがたち、やわらかく、少し時間がたつと噛み応えのあるもっちり感に。中はこしあんで、ほんのり塩気を感じます。コーヒーにも緑茶にもぴったり。
お店の人によると、昔人々の憧れだった伊勢参りの赤福のごとく、蔵王の名物になるように「伊賀餅」と呼ばれた発祥の説もあるそうです。
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樹氷と温泉街だけでこんなに楽しめてしまった蔵王ですが、ウィンタースポーツが趣味であれば、楽しさが何十倍にもなることは言うまでもありません。
とにかく山形市のまちから近いわけで、山形市街地の南部に住んでいれば20分ほどで蔵王に到着です。
朝起きて、午前中にひと滑りして、午後イチで温泉に浸かり、夕方までに家に帰ってリラックス。なんて、充実した休日が過ごせちゃうわけですね。
そういえば、先日の『リアルローカル山形』イベントでもダブルハウス、ダブルワークも含め、蔵王を暮らしに取り入れたらどうか? と、ひとしきり盛り上がりました。
>>移住者からみた、山形暮らしの魅力とは? イベントレポート
実は東京から蔵王へのアクセスも良く、新幹線とバスで4時間以内で到着できます。乗り継ぎ方によっては、草津温泉へいく時間と変わらないという事実にもびっくり。アクセスの詳細はこちらから。
樹氷の見頃は、着氷と着雪が最も盛んな2月とのこと。樹氷がライトアップされたナイトクルーズもあるそうなので、そちらも要チェックです。
撮影:前田 有佳利