名画座のススメ
小倉昭和館
小倉・旦過市場のすぐそばにあるオススメの名画座です。
名画座ってなんだか小難しそうなイメージがありませんか?
「名画座」は、主として旧作映画を上映する映画館のことで、現在主流となっているシネコンとは違い、2本立てや3本立ての映画を新作映画1本分よりも安くみることができるお得な映画館でもあります。
全国的には館数が減少傾向にある名画座ですが、小倉のまちにはあるんです。それが、昭和初期から営業をはじめ今年で創業77年を迎える『小倉昭和館』で、昔ながらの2本立て上映を続けています。
この昭和館は、小倉の中心地である魚町銀天街や旦過市場のすぐそばにあり、北九州唯一の旧作作品を上映する映画館として、今なおたくさんの地域の人々から愛されています。
小倉昭和館の創立者から3代目のお孫さんにあたる、樋口さんに館内をご紹介いただきました。
1号館と2号館の二つのスクリーンがある昭和館。
この日、1号館ではミステリーの話題作「シークレット・アイズ」と「砂上の法廷」が上映され、2号館では『高倉健特集』が行われていました。
この企画は、現在北九州市立美術館分館で行われている「追悼特別展 高倉健」に合わせ、<私が選ぶ“健さん”映画>と銘打ち、人気投票の上位作品を4週にわたって上映するというものです。
そこで、いま上映中の「新網走番外地 さいはての流れ者」を少しのぞかせてもらいました。
大きなスクリーンに映し出された健さん、大迫力です!
そして、フィルム映画のなんとも味のある映像と音声は、テレビで見るそれとは全然違いました。
どんどんデジタル化が進む映画界。フィルム映画が見れる映画館は全国で100軒にも満たず、今では大変貴重な存在だそうです。
映画館でフィルム作品を見れるってなんて贅沢なことでしょう!
ここで上映される映画は、少し前の話題作、ミニシアター系の映画、フィルム映画など、テーマごとのおすすめ作品として選ばれた2本なので、普通に映画を見に行くだけでは出会わなかった映画との新たな出会いがあります。
その他にも、北九州マラソンの際には「ランナー割」という特別料金設定、マラソンをテーマにした映画の上映など、地元イベントとのコラボ企画が盛んに行われています。
一度入れば一日中いられるということもあり、飲食物の持ち込みは自由。
4~5時間は館内にいることになるので、近くの旦過市場でお弁当を持って来る方も多いそうです。
とにかくサービス精神旺盛な樋口さん。
映画と映画の合間の休憩時間には自ら客席に向かい、上映中につまめるお菓子やパンフレットを売り込むなど、来館したお客さんと盛んに会話を交わします。
実はこの昭和館、貸し切りもできちゃいます。
これまで、会社の祝賀会や大学生の自主制作映画の上映会、カップルのサプライズなどの利用があったそうです。使い方は自由。
例えば、子供の成人式のお祝いに、成長を記録したビデオを家族みんなで鑑賞したり、結婚記念日に思い出の映画をふたりのためだけに上映したり。
そんな風に、この昭和館が家族の思い出の1ページとして人々の記憶に残るような存在になれたらいいなと樋口さんは語られました。
相談次第で色んな用途ができるので、とにかく言ってみてくださいとのことです。
あなたの街にもこんな映画館ありますか?
ぜひ探してみてください。
そして、小倉に来た際にはぜひ小倉昭和館へ足を運んでみてくださいね。
きっと、家で見るDVDとは一味も二味も違った映画を楽しめるはずです。