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『モテたい』衝動は、人類愛へ向かう

建大工房 出水建大さん / HUDGE 内田裕規さん

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夜も更けゆく、大人の浜町。
昨年オープンしたばかりの「CRAFT BRIDGE」3階 BRIDGE BREW。

呉服町商店街の古ビルを利用した「FLAT」のプロジェクトを手始めに、福井のリノベーションカルチャーを牽引してきた建築家・出水建大さんとアートディレクター・内田裕規さんに、お話を伺ってきました。

人が集まる「場所」って何?というテーマから、次第に「人類愛」の話へ・・・

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内田「こないだパプワニューギニアでサーフィンしてたらウニ踏んじゃって。棘が刺さったままでさ。まだ痛いんだよね(笑)」
牛久保「いつにも増して黒くなってる!いつの間に行ってたんですか?」
出水「そんな簡単にウニとか踏んだりするんだ(笑)」

ビールを片手に、ほろ酔い3人のトークが始まります。

(聞き手/牛久保星子、テキスト/佐藤実紀代)

 

人が集まる『場所』を自ら作ること

FLATビルの1階「Flat Kitchen」。2階はレンタルスペース、3階はシェアオフィスになっている。
2010年にオープンしたリノベーションビル「FLAT」1階は「Flat Kitchen」、2階はレンタルスペース、3階はシェアオフィス。福井では先駆けの存在だった。

牛「私は3年前に福井に来て、出水さんと内田さんのことは『FLAT』以降しか知らなかったんですけど、出水さんの書かれた『colocal』の記事を読んで初めてそれ以前のことを知って。あ、失敗していいんだと思ったんですよね。」

出「それで終わってたかもしれないけど(笑)結局、俺がやりたかったことって、人が集まる『場所』を作りたかったんだよね。誰かに頼まれて作るんじゃなくて、建築で自分100%として表現するならこうなるってことを形にしたかった」

牛「『場所』そのものにこだわりがあるんですか?」

出「人と出会うために場所は作りたい。でも、もっと究極のことを言えば、一度出会い、心がつながれば、あとは(物理的に)離れていてもかまわない。場所があるから集まるけど、場所がないと集まれないってわけじゃない。場所っていうのは単にきっかけだから」

「建大工房」大工・出水建大さん。
「建大工房」建築家・出水建大さん。

牛「私も『福井に移住した』ってまわりから言われることに違和感があって。今、たまたま福井に住んでいるだけで、もしかしたら今後何かのきっかけで別の場所に移るかもしれない。だから『場所』にこだわらない感覚は似ているのかも。お二人ともずっと福井に拠点を作り続けてますけど、理由があって?」

内「自分は内田家の9代目で、本当に小さな頃からこの家を継ぐんだと祖母から言われていて。家族からものすごい愛情を注がれて、のびのびと育ったから、特に県外へ出たいとかそういう考えもなくて。それに、まわりは自然が豊かで、自給自足の生活だって手が届く範囲にある。(八ツ杉千年の森近く)すごく恵まれて、その土地を使って遊べるのが楽しいだけで、他の土地のことを選ぶってこと自体、あまり考えが浮かばないのかも」

「HUDGE」アートディレクター・内田裕規さん。
「HUDGE」アートディレクター・内田裕規さん。

出「たしかに、裕規の家のまわりは、エネルギーに満ち溢れているよね。どんなに辺鄙な場所でも、エネルギーが集まってる場所に人が集まると思うし、エネルギーが途絶えない限り続いていくんだと思う。逆に、エネルギーの感じられない町や村は、今後消滅していくし。それを見極められる力の方が大事なんじゃないかな。言ったら、エネルギーという視点で考えれば、森も原発も同じなんだよね」

牛「たしかに、原発に対しては私は良しとは思わないけど、人工的なエネルギーというものに対して、経済が生まれ、雇用が生まれ、場所が作られていきますもんね。それって、人にも言えることかも。エネルギーのある人のまわりに人が集まってくるし、集まってきた人同士が似てくる気もする」

(写真左)聞き手・「舎家」代表取締役 牛久保星子さん。
(写真左)聞き手・「舎家」代表取締役 牛久保星子さん。

 

『モテたい』衝動から、人類愛へ

牛「そもそもFLATやCRAFT BRIDGEを始められた原動力って何なんですか?」

内「やっぱり『モテたい』からじゃない?」

牛「あ、そこなんだ!」

出「そりゃそうでしょ(笑)需要と供給の関係も大事で。『モテたい』って手を挙げた人に、いいねって吸い寄せられてくる人がいる。俺は裕規が『モテたい』って言ったから、いいよって賛同した。それがまずFLATになったんだよね。それでまた俺が『モテたい』って言ったら他の人が来てくれる。エネルギーの交換をしあってるワケ」

BRIDGE BREWでは、各地のクラフトビールを味わえる。
BRIDGE BREWでは、各地のクラフトビールを味わえる。

牛「でも、最近そういう人がたくさん出てきて、細分化してる気がします。以前はもう少し大きな輪が作られていたんだけど、今はその輪が小さくなって、最終的に一人で自己完結しちゃうのかな」

出「それもきっとしばらくすると淘汰されて、結局エネルギーが強いものが残っていくと思う。今は過渡期なのかもしれないね」

内「エネルギーの有り余ってる人って、織田信長とかさ男も女も関係なかったっていうエピソードがあるらしいけど、すごい貪欲だよね」

出「すごい人類愛が強いんじゃない?俺はちょっとわかるな(笑)浮気性とかじゃなくて、単純に『好き』という感情表現だけなら、誰も傷つかないよね。お互い幸せ。何かを所有したいと思えば、嫉妬も生まれるし、苦しみ合うだけ。すべてを悟ったら男も女も関係なくなってくるのかも」

人類愛の話はまだまだ続く。。。
人類愛の話はまだまだ続く。。。

牛「なんだかテーマが壮大になってきたけど・・・。私が福井の好きなところって、東京よりもシンプルに生活のリアルを感じられることだと思っていて。東京も刺激や情報がたくさんあって大好きだけど、自分で何かを始めるには福井がちょうど良い場所じゃない?」

出「そうだね。たしかに、情報が多くて手に入りやすいのは利点でもあるけど、それがバーチャル化してしまったら、意味ない。自分が知ってる気分になるだけだから。これからAI(人工知能)とかが発達したとしても、やっぱり五感をフル稼働して鍛えて、リアルを見極められる強さを持つ人や場所が、残っていく気がするな」

* * *

「モテる」と「好き」をただひたすら突き詰めた時。そこにエネルギーが宿り、人が集まり、場所を成立させていく。頭で考えすぎない、五感に頼りながら、物事を決めていくからこそ、その場所の居心地が良くなっていくのかもしれない。

3人の話を聞きながら、ふとそんなことを思う、福井の夜でした。

 

出水さんの「colocal」記事はこちら↓
http://colocal.jp/topics/lifestyle/renovation/20161022_83382.html

FLAT
http://www.flat-fukui.tv

CRAFT BRIDGE
http://craftbridge.jp

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